ボツリヌス療法

BOTULINUM THERAPY

ボツリヌス療法とは

ボツリヌス療法とはボツリヌス菌毒素の製剤を投与する治療法になります。脳血管障害、脳性まひ、頭部外傷、脊髄損傷、多発性硬化症、無酸素脳症など様々な病態が原因で出現する四肢の痙縮により痛みや姿勢異常を緩和する治療です。
ボツリヌス菌毒素は食中毒の原因菌で不安を感じる方もいらっしゃるかと思いますが、菌そのものを投与することはありません。ボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンを使用しますので、投与によって菌自体が体の中に入ることはなく、ボツリヌス菌に感染する恐れはありません。ボツリヌストキシンは天然の良質なたんぱく質で出来た毒素のことです。

投与後、リハビリ訓練が必要になってきます。当院では、同日からでもリハビリの実施を行えます。場合によっては入院も可能で、集中してリハビリを行うことができますので、安心して治療を受けていただくことができます。

費用について

注射を行うための診察のほか検査料や注射薬費、注射手技料などが掛かります。注射薬そのものが高価ですが、公的保険適用となりますので治療費の3割負担程度で利用できます。詳しくは、一度当院受付までご相談ください。
※身体障害者手帳を取得すれば自己負担額の全額あるいは一部免除される場合や医療機関に支払う1ヶ月の自己負担額が一定限度額を超えた場合、超過分の払い戻しを受けられる高額療養費制度もあります。

申し込みについて

ボツリヌス療法が適応なのかどうか受診していただき、医師の判断により決定いたします。

ボツリヌス療法の効果について

日常生活で以下のように困っている方が適応になりやすく、効果が期待できます。
  • 脳卒中の後遺症などで麻痺側の手やひじが固まったように動かず、着替えや入浴がしづらい
  • 手の指が曲がったままで、指がひらきづらい
  • オムツ交換時に足が開かない
  • 歩くときにつま先立ちのような状態で歩きづらい
  • 足の指が曲がったままで体重をかけると痛みが生じる
日常生活がすごしやすい
日常生活場面
リハビリがしやすい
日常生活場面
関節が固まって動きにくく
なったり変形するのを防げる
日常生活場面
介護の負担軽減に繋がる
日常生活場面

ボツリヌス療法の進め方について

  • 1.診察

    ボツリヌス療法が必要かどうか、まずは受診していただき医師の診察によって判断します。
    診察室イラスト
  • 2.ご説明

    決定後、効果や副作用のご説明や費用についてのご説明をいたします。
    説明イラスト
  • 3.同意書にサイン

    その後、同意書をお渡ししご了承の上、サインいただきましたら治療の開始となります。
    会計
  • 4.問診・評価

    次にリハビリスタッフによる問診や評価など日常生活で困っていることをお聞きします。
    問診と評価イラスト
  • 5.ご連絡

    後日、当院から入院が必要な方は入院日を、外来にてボツリヌス注射を受けられる方には注射の日程をそれぞれお電話にてご連絡いたします。
    連絡イラスト
  • ボツリヌス注射後、リハビリ内容についてご説明させていただきまして、本格的にリハビリ開始となります。

副作用について

ボツリヌス療法を受けた後に、以下のような症状が現れることが稀にあります。その多くが一時的なものですが、症状が現れた時にはご相談ください。
  • 注射部位が腫れる
  • 赤くなる
  • 痛みを感じる
  • 体がだるくなる
  • 力が入らない

ボツリヌス療法とリハビリテーションの組み合わせについて

施注から効果が発揮されるまで2週間の間に関節のストレッチを積極的に行います。
その後も継続して関節を動かしていくことが必要になります。ご自宅でも出来るように関節の動かし方などについては、患者様または主たる介護をされている方へご指導させていただきます。

ボツリヌス療法リハビリ場面